アダルトチルドレンのためのアンダンテ

過去の事も、それに対する後悔も、こうなりたいってゆう希望も、言葉にし落とし込んで眺めてみることで、ちょっと整理がつくかもしれない。

物理的に離れても自由になれないと知った

 「ひとりになれなかった一人暮らし」を通じて、私は初めて自分の状況を認識した。どうやら自分は物理的に別の場所に住んでも母親から解放されないらしいと。

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 むしろ母親は、私が離れていくことを許さないかのように、あの手この手で私に用事を作ろうとした。

 

大学4年の12月、私は母親とヨーロッパに住む友達に行く約束をしていた。約束をしたというよりは、もう断れないほどに目を輝かせて、「ヨーロッパに住む友達がぜひクリスマスに遊びに来てほしいって言ってくれているのよ!!!」と、当然行くでしょ?といった様子だったため私は断ることができなかった。正直、そのヨーロッパの友達ほど母親を慕ってくれる人はなかなかいなかったため、私も母親がそのヨーロッパの友達と仲良くすることは、「私にはあなただけなの」という母親からの圧力を回避するためという意味でも大切だと思っていた。しかし内定先で一足早く(一人暮らしをするために)卒業前の12月働き始めた私は、新人研修の都合で母との約束を果たせなかった。母は、ヨーロッパに住む友達があえなくて本当に残念だったといっていると、何度も私に告げてきた。

 

そのまま旅行を水に流すこともできた。ただ私も私で、母親と距離をとる決意しても、やはりどこかのタイミングで「家族を大切にできない悪い娘」「家族にひどいことをする最低な人間」という自己像に苦しめられ、免罪符を手に入れるような醜い感情を携えて、翌年の12月にヨーロッパ旅行を実行した。

「刺すような視線で私をにらみつけた」

「思いやりのない言葉でぐさぐさと私の心を傷つけてきた」

後から母親は、旅行中の私について再びそう表現した。

嫌悪感と罪悪感が混同した感情は、母のことも自分自身のことも傷つけた。一人暮らしを始めてある程度経済的独立が達成できていたとしても、私は精神的に自立できていたかったと、当時は何があっても認めたくはなかった。ただ、たぶん心のどこかでは気づいてしまっていた。